『Wylde Flowers』メインストーリークリア感想

アドベンチャーと農場経営が同居しているゲーム。

主人公(ターラ)のキャラクターがしっかり設定されていて、都会で婚約を破棄されたのを機に祖母の住む島に引っ越してくるところから話が始まる。農家であると同時に魔女という夢のようなストーリー。

基本的には住民から依頼を受けて指定された材料を集め、完了したらストーリーが進んでいく。タスクをこなしながら昼は町民と親睦をふかめながら農業をして、夜は魔女として別のタスクをこなしていく感じ。

元がApple Arcadeのゲームだからそこまでボリュームがないのかなと思ってたら、メインストーリーが終わるまでたっぷり90時間以上かかりました。そのあともまだ小さなイベントがあるみたい。

牧場物語系のゲームじたい遊ぶのが久しぶりで、DSの『牧場物語 キミと育つ島』以来だったので農業を自動化できることにカルチャーショックを覚えました。鉱山で地味に鉱石をぶっ叩くのが好きです。

あるイベントが好きだったので、悩んだ末に肉屋のキムと結婚しました。

好きなところ

基本的におだやかなストーリー

このゲームの目玉なので詳しくは触れないけど、これからどうなっちゃうの!?って思いながら農作業してた。農業のタスクが一段落したと思ったら今度は魔女会で話が進んで〜の繰り返しでずっとワクワクが維持できた。後半はまじでおしまいだ……と思う部分もあったんだけど、基本的には凶悪な人はいないし、平和に戻ることをみんな信じてて裏切られないので安心して過ごせた。町民たちから使い物にならない扱いされてる町長でさえ、同じ島に住んでる父親との微妙な距離感がうかがえて人間的には憎みきれない。いろいろなルーツを持つ人が集まっていて会話も軽妙なので毎日話しかけるのが楽しみだった。

キャラクターの生きてる人間っぽさ

会話のパターンがものすごく多い。イベント後は特にそれに関する話が聞けるので愛着がわいた。
歩きかたが人によって違ったり、自分が近づく前しかやらない動きがあるのも面白い。鏡で身だしなみを確認してるとか、店のカウンターを掃除するとか。
町民の年齢層の幅が広くて家族で住んでる人が多いのもよかった。お年寄りから小さい子どもまでいる。
良くも悪くもそれぞれ人間関係やものの好き嫌いがはっきりしているところも好き。アレルギー疾患持ちとまで明かされてるゲームのキャラクターはなかなかいないよね。それぞれの悩みを会話やイベントで垣間見れるのが良かった。
ゲームの説明を見るとわかるとおりLGBTQ+フレンドリーなゲームなんだけど、好き嫌いなどと同列にふつうにあるものとして受け入れられている描き方に好感がもてた。

難易度やさしめ

上に書いた通りやることはだいたい決まっていて後から確認もできるので迷いにくい。町が小さいので方向音痴にも安心。時間の早さを「のんびり」「普通」「ハード」の三段階から選べるので店探してたら一日終わってたということはない。大体のことは魔法で楽できるようになる。住民との好感度がとてもあがりやすい。どのくらい上がりやすいかというと、プレゼントをしなくても、1日1回会話してるだけで終盤には恋仲になれるくらい。イベント当日のリマインダーもあるのでぼんやり遊べる。あとめずらしいのは、季節が変わるタイミングを自分で決められること。忘れてて作物が枯れることがほぼないのはありがたかった。

微妙なところ

序盤はやれることが少ない

当たり前っちゃ当たり前なんだけど、このゲームだとエリアや施設を開拓するイベントが起こるタイミングが経過日数で決まるみたいなので、イベントが起こるまではちょっとやきもきすることもあった。施設の解放が一通り終わる夏からが本番な感じ。

公式チートなアイテムがある

フィッシュフィンガーというアイテム。攻略を調べても金策の最効率がこれ一択になるのはなんか面白くない。作業感が増しそうなのが嫌で私はとりあえず禁輸した(設定で使わないように変えられる)。恋愛・結婚要素があるので周回するには便利かなと思う。なので要は使い方ですね。

土がたりない

必要数に対して土を作るための雑草が手に入りにくい。他の材料は後から代替品が手に入って緩和されるからなおさら渋く感じる。あまりに渋いので攻略を調べた結果、雑草は木や石をすべて伐採したうえで、ぜんぶ取りきらずにひとつ残すと増えやすい気がした。


住民たちにかなり愛着がわいてしまってフェアヘブン(島の名前)ロスになりそう。ずっと彼らの生活を見ていたいしタスクに奔走したい、イベントをすべて見たい、でもやり切っちゃうのが惜しい……そんなゲームでした。まだ小さいアプデは続いていて、どの機種でも同じ日に更新されるようなのでこれからも楽しみ。