『和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE』クリア感想

スマホから移植されたレトロな雰囲気のミステリアドベンチャー。
「1時間で1話クリアできる」を公式みずから売りにしている。触れ込みに違わず、大作の合間にちょっと他のもの遊びたいとか、短時間でサクッとクリアしたい気分とかにぴったりだった。体験版はないけどスマホで1作目は遊べる(Appleは全部あるっぽい)。

記事内で核心的なネタバレはしないけど、ミステリなのでPVで雰囲気をみて気になるなら買いましょう。

聞き込みで情報を集め、集めた情報をセットして会話することで新しい情報を引き出せるというシステム。得られる情報の数は章ごとに決まっていて、集め終わったら推理パートに移行。これまでの情報から推理して次の章に進む……を繰り返していく。

情報のセットが総当たりになるんだけど、誰に使えるかを一覧画面で確認できるからさほど迷わずに聞き込みできるのがストレスフリーで良かった。

ただ聞けることが増えてくると、誰に聞くかは分かりやすいぶん、会話を終わらせる→情報開く→セット→もう一度話しかけるの流れがまどろっこしく感じた。選択肢が出てる画面でセットできるようになってたら楽だったかも。

作中で推理パートと言われるからそう書いたけど、実際は章のまとめとして情報を整理するだけなので、ライブ感だけでミステリを楽しむ私でもまったく詰まなかった。ここのあっさり感があるから全体的にドラマを見てるような感覚になる。

顔が分からないので、キャラで引き込むというよりは話の構成と雰囲気のあるドット絵でいい感じになってると思った。

回を追うごとに和階堂の周りの人も出てきて、もっといろいろ見たい!と思ってしまう。わたしの頭がキャラゲーに毒されててごめん。


以下各話の感想。

処刑人の楔

最後の推理が終わったあと何の迷いもなく「崖に行くか……」って言ってたのが面白かった。追い詰めた末に犯人が自供するのが崖になるのであって、犯人分かったから行くところじゃないから!

隠し神の森

1話目より演出がテレビドラマ的で良い。この事件も祖父とのつながりを感じるのが好き。ヒントもらうときに探偵社に電話して教えてもらう演出も良かった。

私の見落としかもしれないんだけど、過去に一太郎が今回と似た手口で死んでたってことを先に誰かから聞いてた描写あったっけ。回る順番が自由だから、どこかしら先に回ってれば聞けたのかな。急に和階堂がその話をしてたけど、重要な話は分かりやすく出してほしかった。

影法師の足

待望の探偵さんが出てきてうれしい。推理に直接絡んでこないぶん和階堂自身より安養寺のほうが人となりがわかるような描写が多い気がするけど、この作品に限ってはあんまり主人公に味付けても邪魔だよなとも思うし。

指切館の殺人

地図まわりのUIが一番洗練されていたと思う。どこに誰がいるかボタンを押さなくても分かるようになっていて助かった。似た情報が多くて推理のときちょっと戸惑う。

このあと別の日にちゃんと休暇とってほしい。

内容も小ネタも1〜3話まで通して遊んだ人向けのファンエピソードとして完璧だった。


3話のスタッフロールのコメントと、別の新作を作っているのを見るかぎり現時点では続編は望み薄だけど、和階堂と安養寺が協力して事件を解決する回も見てみたいな~と思ってしまった。

でも掌編だからこそ面白いシリーズな気もするし複雑! 
サクッと楽しめて面白かったです。