『総合タワーリシチ 完全版』上下巻感想

(たしか)2017年の百合展で見かけてから、ずっと気になっていたけどなぜか手を出してこなかった漫画。何年寝かしてるんだよ。
上下巻で表紙が横につながってて、神奈と悠が頬を寄せてるようになってるのがとてもかわいくて印象的だったんだと思う
ちなみにタワーリシチはロシア語で同志という意味らしいです。タワー/リシチ ではない

内容は学園ものわちゃわちゃ百合コメディ。
優等生で唯我独尊な主人公(神奈)が入学早々やらかして、同じクラスのちゃらんぽらんな人たちと仲良くなって、ゆるーく高校生活を満喫したり、たまに悩んでたりする話。
悩んでると誰かしらがギャグに引き戻しに来るバランス感が楽しかった。


顔芸どころか不定形芸になってるのマンガ的で好き。
神奈ふくめ6人いてカップリングも成立するんだけど、基本的にみんなそれぞれ仲良くてまさに花園。
本編とは別にカプごとの話もあって、その話がぜんぶおいしかったです。

  • 神奈と悠
    二人とも自分には何もないと思ってて、お互いのことがうらやましくて、最初から気になってしょうがないのがかわいい。名前を呼ぶとか手をつなぐとか、友達の距離感すらちょっと遠慮がちなところから始まるのが応援したくなる。どっちも頭はいいのに人付き合いとなると未熟で、普段の勢いがなくなるのが特別かわいい。
  • 都とちはや
    幼なじみ。幼いころからの呼び名を学校ではやめてって言うところがポイント高い。子どもの頃と同じように呼び合って甘えて、それが二人のふつうになっているのがちょっと背徳的じゃないですか。なんか、もう、そのまま大人になってもなんやかんや一緒に生活していてほしい。
  • 暁とリカ
    モテるのに本命にはうまく立ち回れない暁の不器用さを、リカが分かっててアプローチされるのを待ってるのが二人の関係を表していて好き。イメージ的には立場逆に見えるけど実際は……というやつ。ちょっとずつ暁のいいかっこしたがるところがほどけていくといいなと思う。

終盤で百合濃度がぐっと上がって、脳がぐらぐら沸き立ちました。
世界への感謝が止まらないタイプの興奮は久しぶりだった。かわいいは正義です。