案内人からいきなりネタバレされてもチュートリアル終了時の引きが強くて、ずっと続き読みたいって気持ちでプレイできた。
みんなで呪詛バトル!足を引っ張りあい!恐慌! みたいな感じになるのかなと思いきや、呪いをもたない協力者がそばにいて冷静に進めていくのが意外だった。
津詰・襟尾ペアの漫才みたいな会話で一気に引き込まれた。あの強面でピンチでもほとんど調子を崩さずに冗談言えちゃう津詰が好きです。
各主人公の解決すべき事件としては約子の話が好き。
生前に話を聞けたところで多分罪の意識はどうにもできないけど怨んで出る理由は分かる。美智代が最期に自分の言葉で思いを伝えられたのも霊夜祭のタイミングだったから可能だったわけで、悪いことばかりではなかったかも? と思えたのが大きいかな。親友のことを大事に思ってるのが伝わってきて泣けた。
あと、心霊現象に立ち向かうときはミヲの表情がキリッとするのすごくよかった。いつか名河越や心霊対策室がメインの刑事ドラマが見たい。
ただ一点、結末というか最後の謎解きのあと、盛り上がりに欠けてたのはちょっと寂しいものがあった。
呪いの解除と黒幕との対峙はもっと感情的に盛り上がるのを期待してたのに、黒幕の動機を資料で読む以外に知る術がないのが唯一不満かな。案内人の話きいて「そうなの〜!?」ってなってるのが私だけなのがちょっと寂しい。
システム上はどんでん返しでびっくりなんだけど、ネタバラシが最後の最後だったし、やっぱり結末が楽しみで作品を楽しんでいるから、物語のなかで登場人物たちがいかに折り合いをつけるかを楽しみたかったな~ってモヤモヤは残った。
でもあくまで私に与えられた役割は主人公じゃなくて運転手だったので、怨災に振り回される後世の人間たちを目的地に連れてさえ行ければ充分なんだろうね。やっぱり霊体だからか(?)やれることやったらさっさと退くというさっぱり感は新鮮ではあった。
案内人のねぎらいの言葉でプレイヤーの私は救われた感じがしたので、完全にスッキリとはいかないけど嫌いではない終わり方だった。
私は後ろ髪を引かれながら顛末を見届けたものの、この事件が起こらなくてもみんな真実にたどり着ける強さを持ってるから、仮にこの事件が起こらなくても問題は解決されるだろうと信じられたところはとてもよかった。
終わってみて、ことわりに逆らって怪異の力で殺されたり蘇ったりするのは良くないから蘇りの秘術があっても使いたくないな~と私は思った。人間の築いてきたものをかんたんに壊せてしまう行いだからかも。
とはいえ、呪いが復活しなくても事件前に起こった犯罪の数々は変わらないことに無力さを感じるのも確か。生きている人間のもつ力と問題点を同時に突きつけてくるビターな感じも好き。
メタフィクション要素が謎解き含めてかなり強かった点で好みが分かれそう。
作中でも呪いによる怪現象が起きまくっていたのですんなり受け入れられた。物語とプレイヤーのあいだに壁があることを利用して、作中にちゃんとプレイヤーの役割を用意するメタであれば私は結構好きかな。
読み終わった次の日、ああ終わったんだ……って寂しくなってしまった。
次回作も評判しだいでは意欲的みたいなので期待したいところ。
GW前に終わらせたいなと思っていたので、さくっと濃い時間をすごせて楽しかったです。