『イヌワシ〜うらぶれ探偵とお嬢様刑事の池袋事件ファイル〜』クリア感想

刑事ドラマ系テキストアドベンチャー。元は終了済のスマホゲーらしい。 買ってから脇目も振らず本編を読み切ってしまった。バディもの好きにはたまらない話だった。 1話のあいだに挟まる選択肢とミニゲームで成功すると星がもらえて、その話の最後に星の数でささやかなエンド分岐があるテキストアドベンチャー。 やさしい難易度なので気乗りしなくてもだらだら読めるし、ひとつの章が短いからちょっとした時間に読もうかな~と思いやすかった。既読早送り・章選択・オート/任意セーブありでシステムもストレスなし。 相棒を亡くして落ちぶれた元刑事の探偵と、相棒の妹がタッグを組んで、彼の死の真相を突き止めるために奔走する話。 かなり序盤で主人公コンビが追うべき犯人が判明するので、怪しい人がいっぱい出てきて犯人は誰だ!?みたいな考察系の楽しさではない。 それぞれの事件の犯人を追う緊張感はあるので、刑事もので押してほしいツボはちゃんと押された。 事件解決するときにお互いの動きを分かってて犯人を追い詰めていくのが本当に熱くてかっこいい。 イヌワシ二人の相棒としての信頼関係もさることながら、捜査を通じて周りのキャラが密かに抱いていた感情が表に出てきて、上手く片を付けてるのが良かった。 最終話まで見てから改めて考えると、各人の抱える感情と向き合うことがテーマだったのかな。 そこに鷲宮の特殊能力も関係しているのがとても良い。 最初に大きな流れの犯人が分かってるのはそっちに時間割くためかもしれない。 どの話も好きだけど、強いてあげるとすれば3話が好き。狗神・龍谷寺と美馬・鷹岡が重なる感じがたまらん。それでいて美馬がイヌワシに協力する理由が乗っかってきたり、特殊能力の新しい可能性が示されたりと、一番わくわくした話だった。 たまーに本筋には関係ないサービススチルがあるのも良かった。選択制だから興味なければ飛ばせるようにもなっている。私は全部見た。狐塚の制服姿がほんと好き。 ちょっと気になったのは、鷲宮が特殊能力を使うために精神力を消耗する制約があるのに、捜査の手がかりを掴むのがまず超能力なとことか、いくら捜査のためだからって警察の情報がダダ漏れなのは職業倫理が気になるとか。 まあ刑事ドラマ自体ひとつのファンタジーだから、捕まえるまでが面白ければ細かいところは言うほど気にしてない。そもそも特殊能力がある世界だし。 ゲーム的な難点といえば、基本的に正解以外は選べないようになっているから、推理する面白さを期待すると肩透かしなところ。 ミニゲームのアクションパートもとい目押しがちょっとストレスで、毎回緊張した。 疲れてるときにやると評価が大変なことになる。 サブストーリーも基本は事件を追うことになるんだけど、正月やバレンタインやどこか遠出した先で何かが起こるイベントなので、普段見られない彼らの一面がみられておもしろかった。鷲宮が単なる相棒として以上に狗神のことを思ってるのはちょっと意外だった。サブのなかでは「パーティは血に濡れて」がコンビ感つよくて好き。 DLCは最終回の数年後にあの名コンビが帰ってきた――ってCMやりそうな2時間のスペシャルドラマっぽい雰囲気でした(好き)。 皆がさらに頼もしくなっていて、しばらく一緒にやってなくてもすぐ呼吸が合わせられる感じがとても安心した。頼もしすぎて全員が合流してきたときに「もう勝ったな……」と思ってしまった。 刑事ドラマ成分が足りないときにまた遊びたい一本でした。

2022-10-08 · おいしい水

Just Dance2022が楽しい

急に踊りたい!と思いたち、6月に衝動的に買ってしまったJust Dance 2022。 今年も11月に新作が出るそうなので、楽しいよ~って言いたいだけの話をします。 テレビで見かけて、だいぶ前にストアの体験版やったけど、初見でついていくのが難しくて 買うのやめたのになぜか買っていた。なんでだろうね。 でも、やってみたらもっと簡単な振り付けの曲もあったし、最初はついていけなくても、ある日突然ここってこういう動きなんだ! って急に腑に落ちる瞬間があるのがすごく気持ちいい。そういう面では音ゲーの楽しさはちゃんとある。 なにより、リズムに乗って体を動かしてるのが純粋に楽しい。 ジョイコンがベースのリズムを刻んでくれるのと、決めポーズができると気持ちいい効果音と振動が鳴るので、動画を見て踊るよりは一体感があると思う。 フィットネス的な効果も多少は期待して買ったような気がする。体感ではフィットボクシングよりは負荷が軽い。汗はしっかりかく。最短3分で一区切りつく小回りの良さが私には魅力的だった。 ゲーム的な難点を上げるとすれば、カメラワークが大胆なので足元が見えづらいときがあることと、曲検索がちょっと面倒なところかな。 なので、振りを覚えるときは海外のプレイ動画を見がち。他の人が踊っている動画もなかなかご機嫌で、個人の癖が出るのでそれもまた楽しいです。 高スコアを狙おうとするといまいち基準がわからないのも難点かもしれないけど、逆にそこまで気にしなくてもいいか! と思えるのは強みでもある。私は後者。 最後に好きな曲の話でもするか。 まだアンリミテッド入ってないので2022本体から。遊んでみたなかで特に好きなやつ。 Chaccaron 難易度イージーだったので最初に踊ったら、インパクトが強くて一気に引き込まれた。気の抜けたトーテムポールみたいなやつが踊っている。というか曲だけすでに面白い。 Last Friday Night (T.G.I.F.) 初見でも踊りやすく、ストーリー仕立てなのが好き。ダンスの見本の女の子が最初乗り気じゃなくてはにかんでるのに、踊ってるうちにノってきて最後には彼女がフロアを揺らしている。なんかいい。 歌詞を調べたら、土曜の朝に前日の飲みすぎを後悔してる歌でした。パリピ~ ...

2022-09-19 · おいしい水

7月のゲームの話:ぷよぷよテトリスとProject DIVA

今月は、 「テトリスやりすぎて文章のすきまにテトリミノが降る」 「ミクさんまじ天使」 の2本立てでお送りします。 パズルゲームと音楽ゲームは、サクッと遊べるけど、突き詰めるといくらでも遊べるのがすごい。 テトリスやりすぎて文章のすきまにテトリミノが降る(ぷよぷよテトリス) 実は1年くらい前に買ってたんだけど、これを買うまでテトリスを一度もやったことがなかったので、ゲームにならずまじめに詰んでいた。テトリスだけに。 ぷよぷよはDSの頃ちょっとだけやったことがある。でも完全にキャラ萌えだったので連鎖はできない。 それでもぷよぷよはまだ、同じ色を4つつなげれば消えるし、落ちて消えるかもしれないし、なにより相殺ができるから、フィーバーに持ち込めればストーリー読むくらいはできた。 でもテトリスは、まずきれいに積まないと列ができない。 消えない。ストーリー序盤のアイ相手に負けまくって、初めて禁じ手のスキップを使った。 これじゃ遊ぶどころじゃないと思って、積み方指南の動画やブログを見た。結局は自分でやって覚えるしかないと悟った。練習には40LINESがいいと聞いてやったけど、自分のペースでやってるのになぜか上まで積んでる。違法建築。 あまりに話にならないので、勧めてきた友人に教えを乞うたのが6月の頭。 対戦の基本的なルールから、積み方、心構えまで教えてもらった。 LミノとJをかたくなに縦に積んでたのに、優しく励ましてくれてありがとう。 どっかのティとテトリスやるところで詰まって持ち帰り、そこから毎日テトリスで遊ぶ。 日中、横書きの文章を見ていると、文末の段差にJミノ積めるな……こっちは揃ってるからOかな……とか思い始めて、完全にテトリス地獄に落とされてた。 ティに勝つのに2日くらいかかった。勝ったときうれしすぎてリプレイも残した。 そのあと詰んだのはテトリスのエコロ。リプレイみたら私よりCOMのがよっぽどきれいに積んでるし、私のテトリミノはたえず右往左往していた。客観的に見ると微笑ましいけど私は必死でやってたよ。 2週間くらい負け続けて、最終的に落下スピードがこのステージあたりから速くなってるから、積むのが追いつけてないことに気づいてマラソンやった。 テトリスのエコロに勝ったあとすぐにエコロが出てきたときは本当にswitchを投げそうになったけど、ぷよぷよになった途端あっさり自滅しやがったので、それはそれでむかついた。なめやがって~!!! エコロのあとはそこまで詰まることもなく無事にストーリーをクリアできましたとさ。 一区切りついてなんだか満足してしまったので、今はのんびりEXやってるところ。 何回やっても、ぷよとテトどっちも降ってくるルールの勝ち筋がわかりません。 Iミノを温存して、二連続でTETRIS撃てるようにがんばります。 ストーリーの話もすると、テトリス側がSFチックで全体の流れはオチ含めてぷよぷよっぽくて結構好きだった。 ティみたいな、自分が我慢すればまるく収まるだろうと思ってしまいがちなキャラが好き。支えたい。 最後は大体サタンさまがなんとかしてくれる。問題を起こすのも大体サタンさまってイメージあるけど。 7章の思い出と戦って強くなろうってくだりもすごく好きだった。 最初にやったのがフィーバーシリーズだったから、アミティのとこでシグとの思わせぶりな切り方されて頭かかえた。プリンプの続き、見たいな~~~。 ミクさんまじ天使(初音ミク Project DIVA Mega39’s) project DIVA初体験。 暑くなってくるとボーカロイドを聴きたくなるので買った。踊っているミクが見たかったのも少し。 新しめの曲も知りたいな〜くらいの気持ちで買ったら、シリーズ総決算タイトルらしく、意外とヘビーに聞いてたころの曲が多い。 私の好みは偏ってるので聞いたことなかった曲もいっぱい出てきて楽しい。メドレーでサビだけ聞いたことある曲が大量にある。こんな名曲を知らずにいたなんてもったいないな。 昔は動画も込みで見てたから、PVが派手で激しい曲調のが好きだったけど、最近は曲だけで聴くことも増えたからバラードも好きになった。 時を経て好みが広がっている。 改めてミクってこんなに天使だったんだね。まぶしいね。 曲ごとに衣裳を変えて踊ってる動画がついているだけで、こんなにもテンションが上がるのか。 歌いながら笑いかけてくるミクの表情を見てるとドキドキする。私が守るよ……って気持ちになる。 まだ本体ぶんの100曲も全部は遊べてないものの、アンハッピーリフレインが一番好きでリピートしまくっている。 元々好きな曲なのもあるし、ミクの金属質な声にパンクなバンドっぽい衣装がいい。間奏で乗ってるKAITOが地味に好き。歌わないけど出てるってこともあるんだね。 歌詞が意味があるのかはわからないけど、演奏してる3人にストイックに積み重ねてきた空気が感じられるから好きなのかもしれない。 ゲーム部分の話 いざ始めてみると体験版で思ったより難しくはなかった。 とにかくコントローラーで遊べるのが楽しい。 スマホ発の音ゲーしかちゃんと遊んだことがなかったので、今押したじゃん! がほぼないのが良い。 ただアーケードの移植だから判定厳しいし、同時押しは未だに全然押せない。4つ押しのときにガイドが出ても対応できないよ。 基本的にメロディどおりの素直な譜面だからボタンに慣れればなんとかなりそうな感じがニクい (高難易度はすごいかもしれない)。 「終わったと見せかけて最後の一音まで譜面が続いてる」系の初見殺しがないのも好き。 そして、なんと全曲ソートとお気に入りとシャッフルがある。大加点。 選ぶ時の効果音が派手なのもなんかゲーセンみたいで好きです。ゲーセンのやつ数えるほどしか行ったことないけど。 好きな作曲者で追うことが多いから、クリプトンのボーカロイド縛りでいろいろ聞いてみるのも面白いかも。 学生時代パソコンにかじりついて、ニコニコ動画を見まくってた懐かしさに浸りつつ、最近の曲も探してみようと思った。 お財布のためには今手元にあるゲームをとことん遊び倒すほうが優しいよね。そんな7月でした。

2022-07-23 · おいしい水

『同居人の五杯目』を読んだ

最新7話まで読んだ。二人で食べるごはんがおいしそうな日常系BL漫画。Tumblrでイラストをたまたま見かけて気になっていた。 大体二人でなんでもないごはんを食べる話。 特に事件が起こるわけではないんだけど、お互いのこと好きなんだろうなって空気感がたまらない。 例えば、ツルがピーマン苦手なのをカメは言わないでも知ってるところとか、頭を冷やしたいときに向かう場所を分かっているところとか。 カメがとても優しい人でツルは人の懐にするっと入るのが上手い感じがする。 カメも頼られるの心地いいから家来るのも許してたんだろうな〜。表紙のたい焼きの食べ方が真逆なのがかわいい。 出会ってから付き合うまでの話、とくに4話がすごく好きだった。 わざと忘れ物して会おうとするのやり口としてかなりベタなのに、カメが疲れてないか心配するとこがすごく良い。いいやつ だけど二人の好きは本当に同じ方向を向いているのかな……と思っちゃった。カメも最初はやっぱり少しは欲情してる感じがするけどツルは人間的に好きって言ってたし。 7巻からの話でツルが今の関係を続けることについて、どう思ってるか分かりそうな気がするのでこれからの更新も楽しみ。

2022-06-20 · おいしい水

『推しが武道館行ってくれたら死ぬ』を読んだ

部屋の整理してたら1巻出てきて続きが読みたくなったので買いました。 アイドルとオタクのすれ違い百合ラブコメ。 とはいえお互いに身分をわきまえたうえでの両片思いっなので安心! ここ芸能人もので一番大事なところです! 最初これ百合かな〜? と思ってたけど、舞菜は好きな人に対して口下手なだけで、えりぴよのことを真剣に考えてるところがよい。 着てるもの特定して同じブランドの服を買うのをお互いにやっていたりする。本来関わりすぎるのはよくない仕事だから許されるけど二人とも好きすぎて重い 個人じゃなくてアイドルとして応援してくれるから、アイドルでいられるってことをずっと守っているのが好き。 舞菜の「会いに来てくれないと私はえりぴよさんに会えない」って独白で最高になったし、「冬まで好きでいてくれると思っちゃった」って全力でえりぴよの発する好きを受け止めて、推してくれる未来も信じている舞菜がとてもかわいい。いじらしい。応援したい。 ChamJam(作中の地下アイドルグループ)のメンバーの掘り下げや人気が出てきて環境が変わったり、オタクの悲喜こもごもも描かれているのでアイドルものとしても面白い。 よくつるんでるオタクたちとえりぴよの、推しメンも推しの立場も、推すスタンスも違ってて、お互い推しのことしか考えてなくてドライにツッコミあってる感じが好き。言葉選びがほどよくオタクなのよ 基のいう「正しいオタクでいないといけないのにガチ恋だからファンが増えることを喜べない」って焦りが分かりすぎて苦しかった。 またアニメ見直したくなっちゃったな〜

2022-06-15 · おいしい水

『鉄楽レトラ』を読んだ

捨てようとしていた靴を互いに交換するところから、新しく青春を始める高校生の話。 何気なく自分のやったことが、誰かにとっての大きな救いになっていることもある、がテーマ ボーイミーツガールから始まるんだけど、まっすぐ行けば1時間半であえる距離にいるのに、かっこいい自分になれるまでは藤本に会わないと決めている、ふたりの距離感がすごく好みだった。 挫折して学園生活からあぶれたままなんとなく生きていこうとしていた人たちが、誰にも触れられたくない闇の部分を少しずつ分け合いながら、スペイン舞踊(フラメンコ)を通してそんなおれたちでもやっていこう、と一歩ずつ前へ進んでいく。そんな彼らを見て心を動かされる人がいて、世界が少しずつ広がっていくのが良かった。 鉄宇が周りの人に知らないうちに助けられてたって気が付くところでかなり泣いた。 母の言葉が毎回したたかで優しい。「あんたが自信を持てないぶん、母さんが持っててやるから」でぼろぼろ泣いた。じいちゃんも何気ない鉄宇の言葉に励まされて彼を元気づけている。良い。 3人が仲良くなるまでの話も好き。 市川が自分のエゴで世話焼いてるのが本当はよくないことだって分かってるところとか、菊池と和解するために家に押し掛けたときの「情けないやつらの集まりってこと?」「気兼ねする必要がなくて最高だね……」が好き。情けない自覚をみんな持っていてもがいているのが良い。 森野先生と対照的な考え方をする河内が出てきたことで、勝ち目のない予選に出てまで守りたいと思えるものができたところに成長を感じた。強ボスに挑むと決めたところからの鉄宇が、踊っているシーンでもこれまでとは別人みたいにかっこよくなっていたのが印象的。それでちょっと認められてきたころに靴が壊れるんだから、もうお守りがなくてもやっていけるくらいモノにしたってことだよね。 正直、それまでは人間関係や心情の変化がじっくり描かれてたから、終盤は駆け足ぎみだったのがちょっと残念。 これからの藤本との関係も二人の技術的な成長も、もう何話か読みたかった感じ。 うまくいかなくて苦悩しているときが多いから、なんだかんだドカンと一発それらしい成功をしてほしかったという期待も私の中にあったんだと思う。 苦しくても楽しくてしょうがないと思えるほど打ち込めるものを手に入れて、今はどん底でも明るくなるときがくる、と信じられるようになったことが大事な話だから、分かりやすい成功を求めるのはちょっと違うかも。 読んだ後じわじわ沁みてくるやさしい青春と絆の物語だった。

2022-06-12 · おいしい水

『総合タワーリシチ 完全版』上下巻感想

(たしか)2017年の百合展で見かけてから、ずっと気になっていたけどなぜか手を出してこなかった漫画。何年寝かしてるんだよ。 上下巻で表紙が横につながってて、神奈と悠が頬を寄せてるようになってるのがとてもかわいくて印象的だったんだと思う ちなみにタワーリシチはロシア語で同志という意味らしいです。タワー/リシチ ではない 内容は学園ものわちゃわちゃ百合コメディ。 優等生で唯我独尊な主人公(神奈)が入学早々やらかして、同じクラスのちゃらんぽらんな人たちと仲良くなって、ゆるーく高校生活を満喫したり、たまに悩んでたりする話。 悩んでると誰かしらがギャグに引き戻しに来るバランス感が楽しかった。 顔芸どころか不定形芸になってるのマンガ的で好き。 神奈ふくめ6人いてカップリングも成立するんだけど、基本的にみんなそれぞれ仲良くてまさに花園。 本編とは別にカプごとの話もあって、その話がぜんぶおいしかったです。 神奈と悠 二人とも自分には何もないと思ってて、お互いのことがうらやましくて、最初から気になってしょうがないのがかわいい。名前を呼ぶとか手をつなぐとか、友達の距離感すらちょっと遠慮がちなところから始まるのが応援したくなる。どっちも頭はいいのに人付き合いとなると未熟で、普段の勢いがなくなるのが特別かわいい。 都とちはや 幼なじみ。幼いころからの呼び名を学校ではやめてって言うところがポイント高い。子どもの頃と同じように呼び合って甘えて、それが二人のふつうになっているのがちょっと背徳的じゃないですか。なんか、もう、そのまま大人になってもなんやかんや一緒に生活していてほしい。 暁とリカ モテるのに本命にはうまく立ち回れない暁の不器用さを、リカが分かっててアプローチされるのを待ってるのが二人の関係を表していて好き。イメージ的には立場逆に見えるけど実際は……というやつ。ちょっとずつ暁のいいかっこしたがるところがほどけていくといいなと思う。 終盤で百合濃度がぐっと上がって、脳がぐらぐら沸き立ちました。 世界への感謝が止まらないタイプの興奮は久しぶりだった。かわいいは正義です。

2022-05-29 · おいしい水

『新・ガラクタ捨てれば、自分が見える』感想

風水の考え方を使って「ガラクタ」を処分すれば幸せになれるよ! って本。 風水って「Aの方角にB色のものを置く」みたいなやつってイメージがあったけどそれだけじゃないんだね。 掃除のモチベーションをあげるコピペのまとめ記事みたいなのを見ていたときに見つけて、そのへんの書き込みをいろいろ読むうちに、元を読んでみたくなったので読みました。 いらないものを片付けたい! でも捨てられない! ってときには、いい感じにやる気を煽ってくれる本だった。 他のこういうノウハウ本をあまり読まないから比較できないけど、「ガラクタ」の定義から心構え、処分の段取りまで細かく書いてあって、できないと思った人への助言も言ってくれるので、自分でもできそうって気にさせるのが上手だった。 大体「そんなんできるならとっくにやってるわ!」って思うタイプなので。 「ガラクタ」を手放すための理由は意外と突拍子もない。たとえば自分に合う波動とか、物のエネルギーがあなたを憂鬱にさせているとか。冗談かと思うようなこと言ってるんだけど、自分が腑に落ちれば手放してもいいかなって思えるものだね。 それに生活のすべてを振り回されるようだと困るけど、そこまでいかなければ理由付けなんかなんでもいい気がしてくる。 読んでてなるほどな~と思ったのは、**「他人からのプレゼントや映画の半券をなかなか捨てられないのは、 それらに自分の存在を見出してるから」**って話。 私は創作物オタクだから、断捨離しようと思っても全部ときめくから捨てられません! と思っていた。 特に思い入れがある作品に関するものを手放すのって自分を失うようで怖くなる。 でも過去ではなく今の私に重きを置くことが大事らしい。 新しいなにかを迎えるために、時が来れば手に入る未来を信じて空間を開けておくんだって。捨てることを失うことじゃなくて前向きにとらえるとちょっと楽になるかもしれない。 ものを捨てるから自分が見えるというか、捨てる過程で何が必要か考えるから変えたい部分に自然と目が行くようになることが大事なんだろうな〜。 決めた行動に囚われやすいから柔軟に考えていきたいね。 片付けの指標にするにはとてもいい本だと思うんだけど、身体のガラクタを捨てるの章は、西洋人寄りの解説なのとトンデモ科学っぽくなってきて拒否感が強かったから途中から飛ばしてしまった。 取り入れられそうなところだけ吸収していきます

2022-05-28 · おいしい水

『MO:Astray』感想

出たばかりのときにパソコンで買うも、chapter4の終盤で力尽きていたのをswitchで買い直して再挑戦。 無事にクリアしました。ありがとうGWセール。 かわいいスライム・MO(モー)が主人公のパズルアクションゲーム。謎の女性の声に導かれて研究所を進んでいく。全編通して暗めでゾンビ祭り。 考え抜いてパズルを解くというよりはタイミング通りに動かすアクションを要求される感じ。跳ぶ方向を指定しながらジャンプするのが独特で忙しい。 腕に自信がないからイージーでプレイした。他との違いは体力の初期値が多い・自然回復が早い・ギミックの動きが遅くなってる……とかsteamの更新履歴にわかりやすく書いてあった。それでもふつうに難しくて400回以上死にました。 操作が独特なのもあるけど、紫のトゲに当たるとか、着地できなくて落下とかは残機に関係なくつねに即死だから、イージーでもとっても簡単というわけではなかった。すぐリトライできるから自分の腕以外にストレスはない。ギミック自体はそこまで変わってないのかな。 ボス戦でなんで攻撃できてるのかわからない、攻撃のしかたがまるで分からないなんてときもあったので、ガイドのお姉さんに親切さは期待するのはよそう。分かれば気持ちいいし仕掛けが大がかりなので嫌いではない。 アクションがいつまでも苦手(大神がふつうに楽しめるくらい)なのは、考えなしに突っ込めばなんとかなると思ってるからだよね。上手い人は敵の行動パターンを見切って攻撃するタイミングを待てるんだって最近気がついた。 ボス戦で冷静な観察を心がけては見たものの、そもそも操作に手いっぱいで次に何が来るか秒で忘れている…… ストーリーは上層に行くほどここで何が起こったのか分かっていく感じ。 研究所で起きた事件の真相を知るほど悲しくなった。大事なところは光ってるし、章終わりのコミックで大体は分かるけど、それ以外は見なくても進むから全貌を理解するまでが入り組んでてややこしい。敵のマインドメッセージ以外はぜんぶ読んだけどよくわからなかった。ただ切ない。 さっきsteam確認したら、力尽きたところまでで28.7時間やってたらしくて笑った。途中からイージーにしてたはずなのにおかしくないですか? そりゃ心折れるよ。 一度やってたとはいえswitch版だとクリアして真エンドみるまで10時間ちょっとだったから、マウスで操作するのって難しいんだな~。ありがとうプロコン。 次のページでストーリーのネタバレします。 ①イラーラを使ってELF生命体を完成させる ②(事故の1年前)元の時空に戻るために彼女を使用するも、暴走して他の宇宙船を沈める ③感染事故 ④脱出するために重要な人員以外を減らす ⑤ディランに維持をまかせて離脱 ⑥イラーラは30年かけてELF生命体を改良してディランを破ろうとする ⑦MO誕生 ⑧記憶を集めてイラーラを浄化 ってこと? chapter5の塔のぼりはじめてリンクの線が上に伸びて行ったとき鳥肌立った。今まで自分が進むために使ってきたのと同じように彼女に使われている。好き。 ノーマルエンドはせっかく合体したのにまだ復讐をあきらめてないのがつらかった。 塔の外に出られたように見えたから、例え時空が違ってもイラーラは遠くないうちに本懐を遂げるだろうけど、何も変わらないならMOの旅はなんだったんだろうって思ってしまう。 真エンドは、人間だったときの誓いを思い出して罪悪感感じてたのがまだ救いかも。 所長がのうのうと逃げ帰って生きてるとも限らないし、帰る途中で全滅してましたということもありえる。そこはコミックでもなんでもいいからはっきり知りたかった。 私の妄想だけど、研究を残すために人を選んでまで脱出したのに、災害を覚えてる人が誰も残ってなくて研究成果だけ維持されてるっていうのも切なくてよいよね。でも作中ではやっぱり忘れ去られないでいてほしい。同じ轍踏んでほしくない。 自分で生き残った所長を手にかけても、死んだことを後から知ったとしても、イラーラはもう今の技術では人間には戻れないんだし、憎しみを手放して研究を志したときの自分を裏切らないでいることでしか救われないと思う。 MOの集めた記憶で浄化されて人智を超える力をコントロールできてたらいいなと思う反面、それでも人間にとっては脅威でしかないんだよな~~~ 知ったところで何にもできない。切ない。

2022-05-23 · おいしい水

宮下奈都『太陽のパスタ、豆のスープ』感想

Twitterやソシャゲに当ててた時間でちまちま読んでたら5日で1冊読めてしまった。ショックが大きい。 同じペースで読めば1ヶ月で4,5冊は読めてしまうことになる 突然の婚約破棄を機に自分を見つめ直す話。その中心になるのがやりたいことをチラシの裏に書いたドリフターズ・リスト。やりたいことリストみたいなもの。 やさしくて前向きになれる話だった。 周りの人がやさしい。甘やかす優しさじゃなくて、いつか岸にたどり着けることを信じて待っててくれる優しさ。 叔母に勧められるままリストを作ってやりたいことをやるうちに、思ったのと違う! ってことにもたくさん出会うんだけど、やりたいことの裏側に自分が本当に大事にしたいものがあると気づいていく過程に、かなり感情移入してしまった。 私が手帳術やノート術が好きでいろいろ試してみてるだけに、主人公もリストを完全な拠り所にするのではなく使いどころを決めて、お守りがわりにしているところに成長を感じたのが印象的だった。 リストとして書き出すことに効果があるのは、頻繁に目に入れたり見直したりすることで、やりたいことがやれるように工夫できるようになるからで、リストを作り上げることそのものには大した意味はないっていうし。私自身はライフハックの手法にこだわりすぎるところがあるので身につまされた。 でも立ち直るときに大事なのは何よりやっぱり、客観的にじぶんとの差に気づける誰かの存在だよね。 おぼれているときに手を差し伸べられていたとして、それに気が付いてつかめるときにはもう前を向けている気がするよ。

2022-05-22 · おいしい水