ヤンボー・師たるや

パンたちへの言動などを見るにガチの聖人君子が揺らぐことはないだろうと思ってたからショックが大きかった……ってシエルのときも同じこと言ってたな
こんなの太陽王国の父親がそろいもそろって不器用すぎて社会問題になるわ

ヤンボーが出てくるたびに思うのはそんな情景にぴったりな漢詩がほいほい湧いてくるのすごいなあということ
かつて枕草子の序文を暗記させられたように中国語圏なら常識的な範囲なのかな? 毎回ググっては唸っています

今回、主役はヤンボーといいながらカヌーラの前日譚も兼ねてたね
さいご決別すると分かっているので全面的にヤンボーが悪いでしょうみたいな気持ちにどうしてもなってしまう
それでも前半の叱ってすっとんだカヌーラを焦って走って行って受け止めるヤンボーはかわいかったし、どんぐりを分けてあげられる優しいカヌーラやヤンボーをじいちゃんと呼んでが慕うカヌーラが見られたりと穏やかで良い部分はたくさんあった……
それにヤンボーは名づけのセンスが天才級によい(参考:猫目、ロジャー)

ただそのあと、動物相手にやらせることが僧の修行だし、本人は無殺生を貫いてたのに事が起こるとワニエルだからって理由で疑われてて悲しい
ヘスティアたちに受け入れてもらうための教育だったはずなのに大事な時に善性であることを信じてもらえないのはどうなの
元々口がきけるヘスティアもそれが世界のことわりだから介入するなとか教育したほうがよっぽど建設的だったんじゃ? とかいろいろ考えてしまった どちらかといえばワニエルではなくヘスティアが外来種だし

自分の欲を満たすためだけの殺生が悪いことかどうかは結論が出せないからこれからも争いは続くと思うんですけど
ひとつ思うのは、決別するときにカヌーラが今までの不満を全部言葉にできたのも、ヤンボーを守ろうとして怒ったことも間違いなく教育の賜物だよ
元々喋れもしないんだし、ただ飼われるだけなら逆らうこともないんだから

6章でヘスティアがいう「数年前のケンカ」がこの件ですね
ヤンボーがそれからずいぶん落ち込んで付き合いの悪い爺さんになってたとかカヌーラがお礼を言われたのはパンが初めてだとか言うから追い泣きした
この出来事があったからパンへのアドバイスが的確にできたんだと思いたい
6章の最後でパンが仲直りしろって言ってくれていたのでこれからヤンボーとカヌーラの関係が快方に向かうことを楽しみにしています

サイドが出てきたことでメインの見方が変わるところ本当に好き