『Say No! More』クリア感想
バカゲーを求めて買ったのに、作品を通して言いたいことは結構まじめでギャップに落ちた。 社会的にノーを言うことが法律で罰せられてそうな激ヤバ社会で、大事な人からもらった弁当を上司に強奪されたインターン生の主人公が「ノー」に目覚めて弁当を取り返しにいく話。 おっちゃんコーチの指導になんか励まされた。ノーと言えなくて困るのは万国共通なのか。 ショップの動画を見てると三人称シューター系に見えたんだけど、実際は移動も勝手に進むので手触りはアドベンチャー的だった。 理不尽に仕事を押し付けてくる人が現れたらノーを突きつけるか、煽って力をためてノーというか力をためる動きをするくらい。 思ってたものとは違った。セリフ中のタイミングは任意だから読み合いっぽいちょっとした緊張感はある。 あと話が進むとノーの種類も増えて表情豊かになる。 正直なにが効いてるのかよくわからん! むかつくヤツが吹き飛んだからヨシ! 単なるクソ会社破壊ゲーと思いきや、話しかけてくる人のなかには前向きに夢を語ってくる人がいて、会社のすべてが「ノー」ではないところがよかった。希望がある。 それに、会社の柱を破壊しても何食わぬ顔してる主人公すら、大切な友人にはなかなかノーと言えない人間くささも好き。 やりたくないことにはっきりノーをつきつけることで信念が浮き彫りになって、支援者が増えてくるのが一番アツかった。 ゲーム上本当にノーとしか言ってないけど。 そこからノーの印象が前向きに変わっていくのもよかったな。 まずは気心のしれた仲間のあいだでノーを言う練習していくところとか。 否定しないことも優しさだけど、自信がない人の背中を押すのが必ずしも肯定することとはかぎらないのだ。好き。 ちょっと気になったのは、せっかく日本語字幕と音声(言い方の違いまである)が用意されてるから使いたかったけど「いやです」だとニュアンスが変わっちゃうところ。けっきょく音声だけ英語にした。 日本語のそういうとこ難しいな。でも「いいえ」だとインパクトに欠けるし。 思いがけず楽しめて満足。 元気がほしいときにまた遊びたいゲームだった。今度遊ぶときは「いやです」でやってみようかな。